2014年9月11日木曜日

自然栽培の土づくり: 「根がよく張れる土」をつくる

(1)燕麦(えんばく)の働き

収穫の秋です。大根、ニンジン、豆、ジャガイモと、収穫に大わらわの今日この頃。
一方、来年の収穫に向けて、秋まき小麦の播種も行いましたので、いよいよ自然栽培の土づくりについてレポートしましょう。
今回は、今年収穫した小麦畑の隣に植えられていた燕麦と大豆について。

燕麦というのは、私たちの食卓にはあまりなじみのない穀物ですね。
ちょっと調べてみたところ、燕麦は別名オーツ麦とよばれ、英名はoat。日本では明治時代に馬の飼料として栽培が始まったようです。
そして、オーツ麦を加工するとシリアルの一種、オートミールになるのですね。これに他の穀物やナッツとかドライフルーツや甘味を加えて焼くと、みんなの大好きなグラノーラになるのだそうです。あれに燕麦が入っていたとは!

さて、この燕麦は収穫をしません。このまま鋤き込んでしまいます。では、何のために植えたのでしょうか。
答えは、「土を柔らかくするため」でした。

一般にはマメ科のクローバーやレンゲソウ、キク科のマリーゴールドやヒマワリ、燕麦などを「緑肥」として鋤き込み、肥料とする考え方がありますが、自然栽培には施肥の考え方はありません。
自然栽培としては、根をよく張らせて土を物理的にやわらかくすることが目的です。自然栽培の土づくりの基本は、根が良く張れる土をつくることです。

燕麦を蒔いた畑は、来年小麦を収穫するために、9月になったらすぐ播種できる準備が必要でした。
この畑は春一番にサブソイラーで1メートルの深さまで耕しました。ところが、いくら機械で深耕しても、そのままにしておくと土が固く締まっていきます。深耕したら、必ず植物の根が深く入ることが大切です。そのため、根が深く入る麦類を利用することが多いのです。麦類の根は、他の作物に比べて多く、しかも深く伸びていきます。
また、根が深く張るので、肥料の毒を分解・吸収して畑をきれいにする「クリーンクロップ」として活用できます。
ちなみに、ここの農場は一番古い畑で40年間自然栽培を続けていますので、クリーンクロップとしての必要はもうないのですが、自然栽培を始めて間もない畑では有効な方法です。

8月にはこんなに燕麦が繁茂していました。(8/1撮影)

こちらが、燕麦が鋤き込まれた後です。(8/16撮影)

大豆は収穫して、小麦を収穫したあとの場所(クローバーが繁茂している)に仁王積みされました。乾燥させるためです。(9/1の記事参照)
クローバーは降雪まえのギリギリまで大きくしてから鋤き込みます。

自然栽培では、秋まき小麦は一般よりも5日ほど早く播種する必要があります。一般農法では、春に秋まき小麦に肥料を与えますが、自然栽培では施肥をしません。ですから、少しでも大きく育ててから冬を越えさせるというのが経験から得た知識です。

ロータリーがけをして、秋まき小麦播種、完了です!
品種は「きたほなみ」。

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